その頃は、その豪邸が今で言う田舎暮らし物件などとは欠片も思わなかった。
ただ、豪邸も公庫付き一戸建て分譲住宅も、田舎暮らし物件では無い事は確かだった。
あれから年月は去り、今や豪邸の建ち並ぶ高級住宅街も、すっかり人影が減り、たまに見かける住人達も後期高齢者の様相を呈している。
当時の豪邸は、今見てもやはりひときわ目を引く豪邸ではあるが、その豪邸が田舎暮らし物件として格安で新聞折込チラシに載る様になった事を思うと、豪邸新築当時のあの煌々たる輝きが懐かしく思われる今日この頃である。
そういう豪邸を田舎暮らし物件として格安で手に入れた方は、古民家以上の格安物件を手に入れた事になるので、その豪邸を一生の宝物として、大切に住んでもらいたいと思う。